1.2000年代初頭の“借りやすさ”
古着屋を始めた僕は、仕入れのために当たり前のように消費者金融へ足を運んでいた。
当時はまだ「総量規制」が存在せず、年収に対する借入上限もなし。
極端に言えば、収入がなくても「枠が残っていれば追加融資」という時代だった。
- 銀行カードローン
- 消費者金融(大手・中堅)
- 信販会社のキャッシング
これらを“使い分け”すれば、資金繰りはなんとか回せた。
しかし、返済日が来ると借り換えや新規借入に走る日々──完全に「自転車操業」だった。
2.総量規制の登場とその背景
2010年6月、貸金業法改正により「総量規制」が施行。
「年収の3分の1を超える貸付は原則禁止」 というルールが始まった。
- 当時、多重債務者が激増
- 自己破産や自殺問題が社会問題化
- 政府・金融庁が業界を締め付けた
結果、僕のように「借りては返す」を繰り返していた人間は、急に融資が止まった。
「いつものATMで借りられない!」という衝撃は今でも忘れない。
3.中小金融と“抜け道”
ただし、総量規制は「すべての借入」を制限するものではなかった。
- 銀行カードローン(銀行は総量規制の対象外)
- 中小金融業者(独自審査で貸付可能)
- 闇金スレスレ業者(当然リスクは爆高)
この“抜け道”に頼った人は少なくなかった。
「総量規制の対象外」という言葉が、借金ループの最後の希望だったのだ。
4.もし当時「ファクタリング」を知っていたら
借り入れではなく、売掛金を現金化する仕組み「ファクタリング」。
僕が古着屋をやっていた2000年代、もし知っていたら──
- レジ売上を即現金化して仕入れ資金に回す
- 消費者金融の高金利に頼らず運転資金を確保
- 資金ショートで倒産を早めることもなかったかも
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5.教訓
- 借りやすさは「破滅の入り口」にもなる
- 法律が変われば、昨日の常識は通用しない
- 借入に頼るだけでなく「資金調達の多様化」を知ることが大切
次回予告|Ep.19
仕入れ資金、従業員の給料、家賃…。
「支払日」は容赦なく迫ってくる。
翔太が見つけた“新たな抜け道”とは?
それは、グレーと黒の境界線を歩く危うい世界だった──。


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